ブルックリンでオペラを (2023) 

文字数 695文字

【オペラは実話が評判良いらしい 】2024.5/14

 
邦題「ブルックリンでオペラを」にある不確定の曖昧さに隠れた微かな希望、それも儚く消え去ってしまったお手軽群像恋愛劇だった。

原題は「SHE COMES TO ME」・・・降りかかってきた女という日本語字幕が一番適切だろう。
ざっくりいうと、三組の男女が入り乱れながらも真の道を探し出す・・・というよくある大人お伽噺だった。

まず、小人症のオペラ作曲家と潔癖症の心理カウンセラーの夫婦、作曲家とおかしな出会いの女性、おまけに未成年カップル。
この三組が織りなす現代ならではの愛の行方が、本シネマのテーマになっている。
とはいっても、そこに衝撃的なエッセンスなどは欠片もない。
愛に飢える作曲家と恋愛症候群のタグボート船長、信仰の中で清楚に生きたいと願うカウンセラー、旧弊にウンザリの若き知力カップル、
それぞれが本当の幸せを追い求める、他愛もないハッピーエンディングストーリーだった。

心理カウンセラーを演じたアン・ハサウェイが中でも群を抜いた知名度と実力で物語を盛り上げているが、実はアン以外のキャストが実に好ましかった、小人症のピーター・ディンクレイジ、船長のマリサ・トメイの危ないコンビが特別に愛おしく思えて仕方がなかった。
   
観終わってみれば、何がテーマだったかなどは気にもならないくらいのお気軽なシネマもたまにはいいかもしれない。
   
しかしである、オペラ作家が実体験でしか創作できないというのは、いかにも情けない。
まぁ、ニューヨークでもオペラがしっかりと根付いていることは確認できた、これは羨ましいことである。
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