アメリカン・ドリーマー 理想の代償 (2014)

文字数 564文字

【本物の暴力は日陰に】 2015/10/5



原題は「もっとも暴力的な一年」、
1981年のニューヨーク、 犯罪件数最多の一年を過ごしたある経営者の物語です。

優秀な経営者として石油販売網を拡大してきた主人公、社運を賭けた投資に際して最大の危機に見舞われてしまいます。
タンクトローリー車が次々に襲われ商品が強奪され従業員が傷つく毎日、
業界仲間からは出る杭として打たれ嫌われる孤独、
検察に財務への疑義で捜査される衝撃、
とどめとして、あろうことかメインバンクからの融資打ち切りの大ピンチが襲ってきます。

彼には、裏社会の係累もいるのですが決して頼ることなく、自らも徹底して暴力を蔑みます。
彼の武器は「強い心」のみ。

オスカー・アイザックが、この強い精神の主人公を身近に表現してくれます。
名作ゴッド・ファーザーを思い起こさせるダークな画面、アル・パチーノに似ていなくもない主人公の清々しさ。ちょっと懐かしい想いがしました。

1981年は路上でタンクローリーが強奪されるくらい物騒な街ニュー・ヨークでしたが、その後秩序が回復されました。
そこではビジネス界と政治の相互繁栄の関係が構築されていったことでしょう。

シネマはその発端をにおわせながら幕を下ろします。
主人公がいつまで理想のアメリカ人を演じていられたのか? 
35年後の主人公を観てみたいものです。
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