ラブソングができるまで (2007)

文字数 677文字

【男と女の怖いお話】 2007/9/13



元グループサウンズ(ちょっと古語かな)ボーカルがヒュー・グラント。
イベントや営業ステージで生活している、過去に生きると揶揄されてる。
そうだ、
僕の高校同窓会40周年に、彼を呼んでみようかな・・と思えるほどの落ちぶれ加減だった。

そんな元ちょっとスターの再生話に絡むのが、
失恋トラウマの元文学少女ドリュー・バリモア。
作詞の才能で彼の曲作りとコラボする。
彼女も過去の重しをずるっと引きずっている。
ふたりが現在のアイドルのために曲作りコンペに挑戦する
・・・そこに芽生えたのは?

という、ザッツ・ロマンティック・コメディなんだが、
華やかなる音楽業界の帳を取っ払ってみると、
あらあら、普通の男と女の怖いお話だった。
怖いというのは「饅頭怖い」の怖い・・・こんな恋愛もいいものだという意味と、
男はつらいね・・・の怖いもある。

定番どおりに、
互いにひきつけられるふたりなのに、
うまく気持ちを伝えられない、
いやはや、本音ではない、
というより本音なんだけど言ってはいけない言葉を選んでしまう、
お互いに傷つけ、傷ついてしまう。
二転三転があって、最後は丸く収まる。

確かに「お決まり」・・・なんだけど、
その転がり具合には、斬新さが研究されていて好感が持てる。
ここは、シネマの見せ所だった。
プチ「どんでん返し」もさりげなく隠されていたと思ったけど。

一番のどんでん返しは、
植木の水遣りバイト仕事のお姉さんが、最後にその家に居座ってしまうことだ。
これはまったくもってストレートに怖いお話。
ふたりで動かしたピアノは決して一人では元に戻せない
・・・ああ怖っ。
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