イコライザー THE FINAL (2023)

文字数 839文字

【スパゲッティ仕置き人】 2023/10/6



遊び心満載のイコライザーシリーズは高齢者の身近な友。
いいお歳のデンゼル自身が嬉々として演じているところが何よりうれしい。

オリジナルタイトルはイコライザー3だが、邦題では堂々とTHE FINALと謳ってくれているのがちょっと残念だが、その分目いっぱい楽しむぞと大きな期待をし、そして十分楽しませていただいた。

今作はイタリアが舞台、シチリア島に巣食う伝統的職業マフィアとの戦いがイコライザーに課せられるが、実はこの抗争は偶然から生じたものだった。
本シリーズ主人公は元CIA凄腕工作員という設定だが引退した後は一個人を救済することにその脅威の能力を使うと決めている。
それはそれで、スパイヒーロ作品のアンチテーゼになっていて、隣のおじさんが数秒で悪を倒す痛快感が新鮮だったのも事実。 だが、2作続くとさすがに地味物語りシリーズという先入観が定着してしまった。

そこで今回敵するのは、悪の権化では本家中本家のシチリアマフィアと相成ったわけだろう。
オープニングシーンで9秒で4人を始末する殺しが披露される、ジョン・ウィックが数で勝負するならマッコールは技で・・・ということか。
あと二回この手のイコライザー技が観れるので、冒頭盛り・尻すぼみの心配はない。

本シリーズはデンゼル・ワシントンによる彼のためのシネマだから共演者に大きな期待はできなかった、これまでは。
今回のダコタ・ファニングはその意味ではスペシャルだろう、あの「マイボディガード(2004)」以来の共演だということだ。
そしてもうひとつ物語り上での因縁が最後に明るみに出る、これは観てのお楽しみ。

シチリアが舞台、キャストもスタッフも現地調達、会話もほとんどがイタリア語、何やらスパゲッティ・ウエスタンの進化型を目の当たりにしたような気がした。
だとすれば、シチリアを舞台にしたイタリアン・アクションシリーズに衣替えしてもいいかな、「シチリアの仕置き人」とでも名付けて。
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