北の桜守 (2017)

文字数 595文字

【北の小百合守、堺雅人】 2018/3/13



まるで宝塚歌劇団のようなエンディングステージ。
いいえ、このシネマは「まるで」も「ような」もない紛れない舞台劇だった。

ストーリー展開をナレーションやスーパーインポーズでは無くコンテンポラリーな舞台上で説明する。
違和感を覚えないのは、これが吉永小百合さんのためのシネマであるからだという暗黙のルールがあるから、僕にはそう思えた。
おそらく30歳前半から60歳後半までを演じる小百合さん、リアリティなどどこにありましょうか。

予想に反して物語は1970年代中心に展開する、ところどころ戦争直後の貧困シーンにフラッシュバックするが。
これも予想とは違って、次男(堺雅人さん)と母親(吉永さん)お二人の熱い演技合戦がシネマの見所だった。
樺太から内地帰還出来た二人だけの家族物語、親孝行な次男と大きな罪悪感を背負う母、素直な愛情物語だった。
無論、小百合シネマだから多くの俳優仲間が顔を出している。
しかし、滝田監督は堺雅人さん以外の俳優をあんまりケアーしていない。
いつもの鶴瓶さんが煙たがられてはけるのがその象徴だった。

最愛の夫と長男を失った母親に対して錯綜したそれでも深い愛情を持つ次男。
最後まで次男としての愛情を受け取ることができなかった哀しみを堺さんは熱演した。
シネマの中のみならず堺さんは本作品製作の中で吉永さんをしっかりと守り切った。
北の小百合守、堺雅人。
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