ナラタージュ (2017)

文字数 716文字

【旬と潤】 2017/10/14



僕が本シネマに興味を持ったのはひとえに行定監督作だから。
アイドルタレントのシネマ進出に反対するわけではないが、それなりの準備と覚悟が欲しいと常々思っている。
主演のお二人の悪口になりそうだし、そうでないのかもしれない?

本年拝見した「君の膵臓をたべたい」での小栗旬さんの立ち振る舞いにいたく感服した。
登校時の校門に入るカット、その一瞬で教師の為人が伝わってきて驚いた。
さて、本シネマの松本潤さんはどうだったか?
傷ついた、ダメ教師という設定だったが、そのベースにある教師像が全く透けてこない。
良く云って眼鏡をかけた男前であり、少なくとも人を教え導く先生が感じられない(あくまでもイメージとしてだけど)。

その結果、あとの展開は煮え切らない男と物わかりの良すぎるストレート女の鬱陶しい恋愛顛末になってしまった。
では、もう一方の主人公生徒役の有村架純さんはというと、あまりにも一般的な熱演に終始していたようだ。
監督の指示にしっかと耳を傾けているのが想像できる。

主人公お二人、顔のクローズアップ、立ち姿ロングショットが多用されるが、どちらもぎこちない。お顔だけの演技を多用したのはお二人には気の毒だった、高度すぎたかも。
同様にロングに引いた歩く姿は役者の全身芸の見せ所だが、これもまだ発展途上だった。

と云ってしまえばそれまで・・・との反論があろう。
アラシやヒヨッコを観たい人たちにはこれが120%のサービスだったのかもしれない。
そこには、演技構成などは不要だったのだろう。

そう思えば、教師と見るのがシンドイ潤さんの演技は、詰まるところ教師失格人間を好演したことになる。
小栗旬さんにそのあたりを伺ってみたいところだ。
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