雨の日は会えない、晴れた日は君を想う (2015)
文字数 546文字
【生きることは後ろめたいこと】 2017/2/20
ジャン・マルク・ヴァレ監督が心の原野を映像にしてしまう、現実感溢れるドキュメンタリーのように。心の持ち主は、同乗していた車に事故で妻が死亡した結果、一人残された夫。
ジェイク・ギレンホールの好演もあって男やもめの心の葛藤が映像からにじみ出ていた。
彼は妻が死んだのに悲しく感じないことに焦燥する。
今までの生き方が軽薄だったこと、妻のことを実はよく知らなかったことに気づくが、じっと心の中にしまい込む。
ただひとつ心の真情を削り出したのが、自販機不良の返金クレームレターのなかだった、哀しいけどありそうなことでもある。
そのクレーム担当のシングルマザー(ナオミ・ワッツ、この種の役柄では圧倒的にうまい)との交流が本シネマのメインストーリーだ。
心の空虚さをいやすため、解体作業に没頭する主人公を理解できない周辺の人々。
解体し、破壊し続けることで一種の免罪にすがろうとする主人公。
破壊し尽くした後に、再生が見いだせるかのようだった。
生き残った疚しさ、妻の死を悲しめない後ろめたさは、人間らしさの証でもある。
そして、そんな後ろめたさを乗り越えるのは、やはり妻のことを知ることに他ならない。
悲しみを乗り越える一人の男性の切ないドキュメンタリタッチの作品だった。
ジャン・マルク・ヴァレ監督が心の原野を映像にしてしまう、現実感溢れるドキュメンタリーのように。心の持ち主は、同乗していた車に事故で妻が死亡した結果、一人残された夫。
ジェイク・ギレンホールの好演もあって男やもめの心の葛藤が映像からにじみ出ていた。
彼は妻が死んだのに悲しく感じないことに焦燥する。
今までの生き方が軽薄だったこと、妻のことを実はよく知らなかったことに気づくが、じっと心の中にしまい込む。
ただひとつ心の真情を削り出したのが、自販機不良の返金クレームレターのなかだった、哀しいけどありそうなことでもある。
そのクレーム担当のシングルマザー(ナオミ・ワッツ、この種の役柄では圧倒的にうまい)との交流が本シネマのメインストーリーだ。
心の空虚さをいやすため、解体作業に没頭する主人公を理解できない周辺の人々。
解体し、破壊し続けることで一種の免罪にすがろうとする主人公。
破壊し尽くした後に、再生が見いだせるかのようだった。
生き残った疚しさ、妻の死を悲しめない後ろめたさは、人間らしさの証でもある。
そして、そんな後ろめたさを乗り越えるのは、やはり妻のことを知ることに他ならない。
悲しみを乗り越える一人の男性の切ないドキュメンタリタッチの作品だった。