ゴーン・ガール (2014)

文字数 632文字

【一級のスリラーコメディ】 2014/12/13



笑がこみあげてくる場面がある、
全体の印象も極端ではあるが「コメディか?」と感じるのは不謹慎なのだろうか。

シネマとしては何回かのドンデンガエシを挟んで、
歪んだ夫婦、そして狂騒のマスメディア、
そのマスメディアにいちいち煽られ熱狂する名もなき愚者の数々をカリカチュアしている。
それだけでも一級のコメディと言えるのだが、
特に今作のテーマでもある「異様な夫婦」が
実はそれほど異様ではないことが、もっともっと可笑しい。

日本の言い伝えにもある 『女房の尻に敷かれる方が夫婦円満なんだよ』
今シネマの設定のような、
頭脳明晰な女性と、凡庸な男性のカップルは夫婦の組み合わせとしては特に異常ではない。
傍からは決して見えないサイコ的な側面を持つ夫婦だって、もしかしているかもしれないが
それも決して外には漏れない。
そうすると一般的には
「美貌の妻、やさしい旦那、平和な家庭」というメッセージが発信されるのが現代である。
誰も本当のことは知りたくないし、テレビで見ることは一晩で忘れること
・・・「別にどうでもいいじゃない」というわけだ。

お互いに信頼も愛情もなくても夫婦で生きていくこともできる、
そんなことを今更確認するのは、コメディに近いというわけだ。
腹の底から笑うことはできないけど、でも笑いを我慢することはできなかった。

老婆心:
ロザムンド・パイクの攻めの演技を受け返すベン・アフレック、
二人が演じる異様な夫婦パーフェクトスタイルをお見逃しなく。

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