NY心霊捜査官 (2014)

文字数 669文字

【悪魔テロ?】 2014/9/27



エリック・バナの刑事物語だ、彼の久々の存在感を予感して劇場に参上した。
「ブラック・ホーク、ダウン」や「ミュンヘン」で魅せてくれた、使命感を内に秘めた熱い人間を期待していた、たぶん。
ホラー・サスペンスの系統とは知っていたが、バナの男臭さで僕の不得手な「怖さ」も一蹴だぁ~と思っていた。

クローズアップを多く使って、カット展開もスピード感があり、NYのナイトシフト刑事コンビが丁寧に描かれていく一方、
主人公のプライヴェートが家族との幸福感と、ありきたりの仕事人間の危機感を混在させて進行していく。しかし、DV事件に怪しい兆候を感じた時から、主人公はオカルトの世界に引きずり込まれていく。
彼が犯罪(悪)を感知する特殊な才能を持っていたことが刑事としての利点だったのだが、今度は逆に「悪」を引き寄せることになる。
ここが邦題の意味するところなのであるが、結局この「悪」に対抗するのはエクソシストでしかないという事実に直面する。
敏腕刑事が最後には聖書を読み上げる結末になっている。

この展開は意外であった。
刑事が立ち向かうのは「人の悪」ではなく「悪魔」だった。
当然のことだが悪魔祓いにはスタンダードがある。
シネマでは、正直にそのお約束事を並べ立てる。
暗い過去から立ち直った神父、暗い過去を胸の奥に秘めている刑事、一人で動き出すオモチャ、地獄から聞こえるような声…などなど。
現代風と言えば、この邪悪がアメリカ軍の作戦(イラクかアフガニスタン)の際に海兵隊員に憑りついたというところか。
今や《邪悪》もテロリスト扱いになった。
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