踊る大捜査線THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! (2010)

文字数 922文字

【もし 誰かが ドラッカーを読んでいたら】 2010/7/4



【踊るシリーズ】とは長い付き合いだし
いろんな因縁もあるので今回も家族で観させてもらった。
家族と一緒に見ることができる
・・・この評価が本シリーズのすべてを物語っている。

おなじみメンバーによる、いつものドタバタ群像劇、。
有り得ないけど有ればいいね・・・と軽いカタルシスに浸れる庶民派正義感。
【踊るシリーズ】製作チームはそんなトレンドを創ってきた。
ドラッカーの主張する《顧客創造》の成功例だろう。

実はこの「成功例」というのが曲者で、
ビジネスケースではもちろん個人レベルにあっても足枷になる時がある。
ドラッカーは常に顧客の求めるものを提供することが
顧客の創造を継続すると喚起しているが、これがなかなか難しいのだ。
成功を捨て新しく顧客を取り込もうとする成功者はまれで、
多くの成功者は衰退するさだめになる。

10年以上前の成功例にすがりついたのが、悲しいかな本作パート3だった。
TV局ならではの相変わらずの再放送作戦も新規顧客開拓に功を奏したかもしれない。
古い顧客(僕のような)はクラス会に参加するかのごとく、
ご祝儀会費を支払ったのかもしれない。
それにしても、内容が貧相だ。
新しいマーケティングどころか、現状のつじつまあわせすらできなかった。

コアなる敵役(かたきやく)を古い納屋の奥から引っ張り出したアイデア貧困さに
いっとき言葉が出なかった。
随所に、それも鑑賞の妨げになるほど、気になった不可解な展開、
いちいちあげつらう気も起きない。
笑いと涙は定番でいいというが、許容範囲を超えた陳腐さに興ざめした。

ドラッカーは顧客創造する知識労働者たれとも伝えている。
脚本に不備は無いか?
端役の台詞回しはおかしくないか?
セットは安っぽく見えないか?
何より顧客(観客)は喜んでくれるのだろうか?
製作幹部から現場スタッフまで顧客の気持ちを本気で考えたとは思えない。

一人ひとりが真剣に考え行動することでプロジェクト(シネマ製作)は機能する。
人気におんぶにだっこ、織田さんに大甘えしてはいなかったか?
人材を広く公平に求めたのか?

いやはや疑問は尽きず不満は噴出してくる。
次回作がとても心配だ。

「ドラッカー」を読んでみたら?

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