戦国自衛隊1549 (2005)

文字数 682文字

【I love cinema because it is a cinema】 2007/7/4




半村良原案?福井晴敏原作?・・・これが期待値でありリスクでもある作品。
千葉真一主演の前作はSF大作(当時としては)として映画史に残る功績があった。
それはエンターテイメントに徹した潔さ、新鮮さだった。

さて、このリメイクに際して登場した福井さん。
僕の作家リストでは「被害妄想的自衛隊擁護アクション」としてファイルされている。
彼の屈折した好戦的嗜好がシネマではエンタメになりずらい。
まして日本エンタメ界の半村巨匠をベースにリメイクするなどとは、無謀だったかもしれない。

また、シネマの純粋テクニカルな面でも未熟度が露呈。
シネマが総合芸術であることが、忘れ去られている。
俳優の熟達度、編集、音楽、カメラワーク各パートでの不足が総合された悲惨な結果になっている。比較すべきではないかもしれないが、昨年の《タイムライン》の脚色と演出のさえが思い出される。
ところで、
シネコン、東宝シネマ-ズでは開演前に必ず、映画鑑賞の基礎知識・ルールを実に粋な方法でプレゼンする(ぜひ体験して欲しい、もしまだなら)。
その最後に
「シネマをその質で楽しむ人、シネマだから楽しむ人がいるが、どちらが本当にシネマを愛してるのだろうか?・・」
問いかけがある。
難しいテーマだ、僕もわからない。
今日のように、作品に裏切られても作り手の気持ちは理解できるとすれば、
やはり僕のシネマ鑑賞の原点は、
「I love cinema because it is a cinema 」のようだ。

記:---2005年6月12日---

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