地球が静止する日 (2008)

文字数 571文字

【大国のエゴと傲慢】 2008/12/21



アメリカ合衆国歴代ワースト大統領へ捧げられた歓送別シネマ・・・と思えば愉快。

もう、私たちは同じ間違いを繰り返しません、
大統領閣下を逆さのお手本としてまいります、
過ちから大切なことを学びました。
いま必要なことは「CHANGE」、
大丈夫、私たちは変わります、
窮地に追いつめられて初めて気付いたとはいえ、変わる勇気を持ちました。
・・・・・
こんなメーッセージがドタバタSFストーリーをすかして見え隠れしていた。

もはや影響力のない大統領だから、こんなに失礼なシネマを作ってもいいものなのか?
靴を投げつけられるよりは、若干でも洗練された非難のされ方だから、これでよしとするのか?
いやはや、大統領閣下もよくここまで揶揄されるものだ。

総合芸術シネマの観点からすれば、大雑把なつくりは許し難い致命点だ。
宇宙に存在してもおかしくないだろう高等進化知能が人類を粛清排除するプロットは類型的、
そのスパイが人類の心根に感動しその意思を変更するにいたってはご都合主義甚だしい。
粛清排除の思想そのものが大国エゴの裏返しでしかない。
僕には人類は懲りない、決して歴史に学ばない無頼集団としか思えないのだけれど。

この国の知性はいまだに自分たちを中心に置いてでしか作動しない。
シネマの裏側にはやはりアメリカ大国の傲慢さが見え隠れしていた。
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