愛に迷った時 (1995)

文字数 631文字

【本当の日常はツマラン】 2011/1/14



シネマという総合芸術のなかに、日常ごく普通の出来事を描写して
「これってよくあるよね・・」と思わせ感動させるのは相当な感性とテクニックが要る。
これがラッセ・ハムストレム監督の得意とするところ。
さて、今回は監督がハリウッドに移って間もない頃の作品。
さすが、世界的巨匠には豪華なキャストが用意される。
女帝ジュリア・ロバーツを主人公に据えて、ジュリアを食いそうもないけど上手な脇役をずらっと配置している。ロバート・デュバル、デニス・クェイド、ジーナ・ローランド、カイラ・セルジウィック達だ。

お話は南部のどっかの大牧場の娘(ジュリア)が旦那の浮気を知って動揺するというラブ・コメディらしい。らしい・・というのはほぼ可笑しくないからだ。
確かにハムストレム監督らしい、何気ない演技が観るものの感情の細い線を揺らす事も多いし、「クスッ」とするシーンもあった。それにしてもエピソードに意外性が完璧に欠けている。
スターシステムのハリウッドでジュリア・ロバーツに悩める普通の主婦を演じさせたことがそもそもの勘違いだった。「エリン・ブロコビッチ」とまで求めないけどもっと個性を付けてあげるべきだった。

ハムストレレム監督、相変わらず子供の扱いは上手だけど、老練な脇役陣を手持ち無沙汰なままにしてしまい、もったいなかった。

大人の日常とは かくのごとく変化もなく危険な匂いもなく、後から振り返る価値もないものだという・・・ニュアンスだけは伝わった。
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