小さな恋のうた (2019) 

文字数 547文字

【安心安定の橋本フィルム】  2019/5/27



沖縄の高校生バンドに起きたちょっとした感動物語。
基地に働くヒロインの父親がつぶやく・・
「沖縄のなかでいがみ合っても解決しない、問題は外にある」

敢えて、沖縄の基地問題に手を突っ込んでいる、
とってつけたような感触だけど、アメリカ軍家族の気持ちも垣間見える。
政治のはざまに置き去りにされているのは沖縄の人たちだけではなく、
安保同盟に従事するアメリカ人も・・。
本シネマにあった硬派の主張だった、かすかではあったが。

もちろんメインテーマは、青春デンデケデケデケ。
イケてるバンド仲間に持ち上がる悲劇、それを乗り越えるメンバーたち。
学園シネマに滅法涙腺が脆い僕ではあるが、後味は「すっきり爽やか」、
糖分ゼロの清涼飲料のようだった。

このカタルシスは 偏にキャスティングの潔いほどの大胆さだろう。
バンドメンバー全員が、とにかく音楽に精通している。
当て振りや、アテレコの無いバンド演奏は、観ている僕が照れることがない、
ナチュラルだった。
音楽のレベルの高さはこの物語には、そして本来はシネマとしても必須なのだから。

バンド演奏が主役、
それを取り巻く家族、友達、ファンは添え物でしかなかった、前述のアメリカ軍家族さえも。
シネマのなかで演奏シーンを楽しめる喜びをかみしめた。
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