淵に立つ (2016)

文字数 369文字

【人は みな罪びと】 2016/10/17



浅野忠信演じる小悪党が実際に何か罪を犯したのか?
シネマは映像にしていない。
女の子に起きた悲劇にどうかかわったのか?
人妻へのちょっかいは見事に拒否されている。

それでも、誰かが悪くなければこの世は収まりがつかない。
小悪党の息子も結構怪しい。
障害者のポートレートを描きたいと願い出るその本音は何だったのか?
父の幻を追いかける純粋な心と同居する暗い澱みすら感じられる。

肝心の部品工場の夫婦・娘家族、
中身の乏しい食事が頻繁に供される。
神への謝辞はあっても、そこかに小さな幸福を感じ取ることはできなかった。

あの事故の後:
神からの試練と受け取る母の娘への献身的、狂信的介護。
神からの罰だと受け取る父の傲慢、無責任。

子供たちの犠牲を求めた終盤のカタストロフィ、これは神の意思だったのか。
淵に立つ試練は永劫に続く。

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