影に抱かれて眠れ (2018)

文字数 568文字

【アマは引っ込んでプロに任せよう】 2019/9/11



北方謙三ワールドらしい物語なのだろうと思う、原作未読だったのでなおさらにその思いが強かった。切なさと愛と友情とケジメ、おそらくは昭和のノスタルジー溢れたハードボイルド小説に違いない・・と忖度した。
・・・・と思わせるくらいシネマは物足りなさに満ち満ちていて歯がゆい時間を過ごした鑑賞になった。

おそらくは、意欲的なキャスティングだったのかもしれない。
主役の加藤雅也さんの汚れ役は、それでも異色と賞することもできるが、
俳優は相手があっての演技相乗効果、共演者とのコンビネーションにおける芸術展開が必須であると信じている。
登場人物たちの絡みの空虚さに観ている僕の方が恥ずかしくなってしまう。

それ以前の問題として、異色のキャスティングそのものが破綻しているのはどうしてなのだろうか? 本職でないとはいえ、芸達者を呼んできたとはいえ、台詞はじめ細やかな演出指導があるべきだった。
まさか、アドリブまたは本人の解釈に任せたのか?
それは意図的だったのか?
いやいや、ベテランといわれる役者さんにおいてもシネマの流れとまるでかみ合わない一種の立ち往生シーンが哀しかった。

物語の終盤、
友のかたき討ちのために行動を起こす主人公の言葉、
「俺たちはアマ、これから先はプロに任せよう」

そうだね、プロに任せなくちゃ。
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