SP 野望篇 (2010)

文字数 677文字

【無理が過ぎると無茶になる】 2010/10/30



無理が過ぎると無茶になる。

【無理その1】
主人公の信条である「SPとは生命を守る」が彼の生き方そのものなのは良しとする。
また自分のマーシャルアーツに自信があるのも本人の勝手だ。
だからといって頑なに拳銃使用を控えるのは無茶だろう。
同僚が傷ついていく中、これは不自然な無茶だった。

【無理その2】
午前3時~4時の襲撃から逃れる官房長官とSPグループ。
目的地首相官邸は赤坂、六本木にも至近。
何よりこの近辺は権力集中地帯につき警備体制も半端じゃない。
脚本はそれを敢えて無視し、
東京があたかもバイオハザード後のゴーストタウンになったかの設定にした。
そこには人も車(チラッと1台見えたが)もいない。
シネマの意図からその捏造が必要だったのか?
疑問の前に【白々しい無茶】が棚引いていた。

【究極の無理】
TVシリーズ、それも深夜枠のドラマとして脚本勝ちの秀逸な作品だった。
最後まで付き合った僕に、終結パートを拒否するすべはなかった、
それが劇場本編に成り上がったとしても。
なんと本編も2分割される。
文庫化に当たって、薄っぺらい【上下編】に成り上がった予想外ベストセラー小説に似ていた。
今、顧客満足こそがビジネスの原点であり、継続のキーワードといわれて久しい。
思慮浅い露骨なビジネスを社会は必要としない。
セオリーを無視した【究極の無理】、
実は観る前からの懸念だった。
残念ながら、マーケティングミスをコンテンツでカバーすることもできなかった。

老婆心:
真木さん、岡田さんのアクション演技を見るだけでも大スクリーン観劇の価値はあるけどね。
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