見えない目撃者 (2019)

文字数 683文字

【上質のサスペンスシネマ】 2019/9/24



日本シネマ界も捨てたものではないと思ったら、
オリジナルは韓国だとのことで納得する。
恐るべし韓国シネマ!
そのオリジナルは拝見していないが、たとえリメイクとしてもよく練られたシネマ創りだった、
冒頭から一気に畳み掛け中だるみのない演出、
それを支える真摯な演技人たち、
それだけでも、やはり日本シネマ界は底力があるということだろう。

主人公の吉岡里帆さんはじめスター級のキャスティングではない(失礼)にもかかわらず、
ここまでの緊迫感とリアリティと達成感を味わえることができたのは、
シネマ全般にこだわっていたサスペンス上質感だった。

いたるところにサスペンスならではの「キー」が仕掛けられている。
それを意識しながら鑑賞するのもサスペンスシネマならではのお楽しみである。
サスペンスを構成するキーワードを列挙してみると:
●優秀な女性警官
●事故
●失明
●弟の死
●盲導犬
●事故PTSD
●サイコシリアルキラーとの遭遇
●独自捜査
●犯人からの反撃
●壮絶な救出劇

なんだTVドラマと変わらないじゃないか…と思ってはいけない。
サイコキラーの残虐性にハードルを設けないR15ならではの特典は、
やはりシネマワールドのもの。
終わってみれば盲目のヒロインハードボイルド物語になってはいるが、
残虐背シーンにも違和感なく最後まで付き合える。

時節柄 韓国シネマリメイクということで、
あまり大仰なパブ活動をしていないのかと訝るほど、
秋のシネマ大博覧状態の中で隠れた上質のサスペンスだった。

ということで、本年の邦画コンペにはお呼びでない
・・・なんてことが杞憂になりますように。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み