百万円と苦虫女 (2008)

文字数 757文字

【苦虫女には気をつけよう・・・ね】 2009/2/28



甘いなぁ~。
主人公(蒼井優)の生き方も、家族も、旅先の通過人達も甘いんだね。
つまるところは、シネマの目指すゴールそのものが甘いんだろうけど。

転々と流れていく主人公のその流れの理由が「自分探し」とか言う陳腐でないのは買いだ、
プラス1点。
だとしても本人のおっしゃるように「自分を忘れたい」というのもこれまた裏返しの陳腐、
マイナス1点。
作品中ではこの「流れ」繰り返しが3回ある、というかこれがストーリーの全貌。
プラスマイナスゼロの生産性のないテーマに3回付き合わされる観客こそ哀れ。

百万円というキーワードが、ところで 的を得ている。
百万円あれば何かができるような気がする
・・・・・諸手を挙げるほどではないが共感できそうだ。
この設定に思い切り現実生活を思い出し、
我が懐をわしづかみされたように感じられ、瞬間の狼狽タイムがあった。
さほどに、本シネマは日常生活の目線に沿っている、
いやいや沿いすぎのところすらある。

とはいいながら、
主人公のような若い女性の言動を分析するすべもないが、
僕のルールからすればやっぱり甘い。
逃げるだけでは何にも解決しないのは、いまさらながらの真実。
生きてくことは前に向かって、人生の終焉に向かっていくこと
・・・勇気がなければとても無理だ。
そこから逃避する心地よさも解らないこともない。
ただし、それは一時の猶予としてのみ許される。

結局、主人公はそのとおりの行動、
現実に立ち向かう決意をすることになるわけだが、
散々けちをつけていながらで、なんなんだけど、
そんな展開でいいのか?
甘すぎないか?都合よくないか?

良い子のプチ反抗放浪ドラマに付き合わされた旅先の方々がかわいそう。
アルバイト学生(森山未来)の純情に
主人公の「したたかさ」が浮き彫りされていた。

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