スペース カウボーイ (2000)

文字数 727文字

【人生は不条理】 2007/7/9



カウントベイシーオーケストラーの華麗なる前奏にオーバーラップして月面砂漠をカメラが廻りこんでくる。
そこにシナトラの声がかぶさる・・・・♪Fly me to the moon・・♪。
月面に横たわるホーク(トミー・リー・ジョーンズ)がリラックスして口ずさんでいるようだ。
ふと、僕の耳には4人のカウボーイのハーモニーが、シナトラのバックに聴こえたような気がする。
そして僕は横たわる宇宙飛行士に近づいていく、そのフルフェイスのヘルメットに映る、
青い青い母なる地球。

このシュールでお洒落なエンディングが本シネマのテーマ。
ともすれば、ジイ様たちの反乱、年寄りの冷や水・・・などと受け取られがち本シネマ。
とんでもない勘違いかもしれない。
それにしても、あまりにもリアルすぎるこのジイ様たちの設定?
シネマのなかで明らかになるのはクリントの69 歳だけだが、おそらくはジェームス・ガーナー72歳、ドナルド・サザーランド66歳も当時の実年齢の役柄だろう。一番若いトミー・リーが54歳。
(いずれも製作時の年齢)

クリントが意図したのは、人生は不条理だということ。
1958年から現在(特定されていない!)に至って、生き残った元宇宙飛行士くずれたち。
その間、幾多の若い命が戦争の名のもと、国家に捧げられたか?
そして本ストーリーの核である、国を地球を救うミッションにおいても、最年少者が犠牲になる。
その一方で、
クリントには帰りを待ってくれる古女房がいる、
ジェームスには、なんとバプテストの信徒たちが待っている、
ドナルドは、これまたなんと現役のレディーキラーだってぇ~。
彼らの人生は途切れそうもない。

人生このように不条理、もし長生きするのが勝者とすれば。
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