永遠の0 (2013)

文字数 702文字

【岡田さん代表作、年の瀬に良シネマが観れた】 2113/12/21



久しぶりの感動日本シネマでした。

戦争、家族愛、仲間愛、ルーツ探し、そして謎解き
…多彩な要素がバランスよく映像化されていました。
特に満足したポイントを述べて冷静な感想にしたいと思います:

(1)戦争への立ち位置が公平でした。
主人公のたたき上げ職業軍人としての目線がつらぬかれています。
それが当時の世論・常識からかけ離れたものであることを強調して、
逆に戦争の愚かしさを抽出していました。
実は「積極的平和主義」らしきものを懸念しておりましたが、
戦争を庶民の目であくまでも災難としてとらえていたところは好感できました。

(2)VFXが予想以上に効果的でした。
零戦のドッグファイト、特別攻撃の様子、戦艦アリゾナや空母赤城の轟沈シーンは
まずまず合格でしょう。
ラストシーンに現れた主人公搭乗の零戦が感動的でした、VFXはやはりファンタジーによく似合うようです。

(3)脚本も頑張ってました。
叙述的謎解きの映像化の難しさは、いまさら繰り返すこともないのですが、
あっさりと映像にしてしまっています、お見事です。
若い世代には少し面倒くさい過去物語への切り替えも滑らかに進行できていました。

(4)演技陣が熱かったようです。
岡田准一さんの代表作になるでしょう、素晴らしかった。
彼が作り上げた宮部久蔵を僕は忘れません。
儲け役とは言いながら、田中泯さんは上手い。
立ち振る舞いだけで熱血漢、仁義の男を演じ切っていました。
ともすれば、ステレオタイプになりがちな当時の帝国海軍軍人に
血の通った顔を見せてくれた助演陣にも乾杯です。

2013年、年の瀬に良いシネマを観られて幸せです。

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