ガーンジー島の読書会の秘密 (2018)

文字数 596文字

【島娘 リリー・ジェームズ】 2019/9/12



主人公の作家を演じるリリー・ジェームズ、
今作は誰も文句なしの主役、
相変らずの愛くるしさと刻々と変わる豊かな表情で僕を愉しませてくれる。
歌とダンスは残念ながらお預けであったが、
ギリシャのカロカイリ島(マンマミーア!・ヒア・ウィ・ゴー)から
イギリス海峡のガーンジー島に変ってもシネマの舞台は同じような小さな島、
島が良く似合うリリーだった。

今作では戦争の傷跡に苦悩する島の人びとに、
癒しの優しさとそこから立ち上がる勇気をもたらす天使の役柄だった。
イギリス領としてドイツに進駐された数少ないガーンジー島、
島の人々に戦争中何が起こったのか?
物語りはサスペンスタッチを極力抑えながらも5年後の戦後、
主人公がその真実に迫っていく様子が描かれる。

だから、邦題のように「秘密」を謳っては元も子もなくなってしまう。
「ガーンジー島の読書とポテトパイクラブ」…ぐらいにしておけばいいものを、
どうしても下心が先行していて不愉快になる。

実はこの読書会もポテト(本当はポテトの皮)パイも、哀しい物語の発端になっている。
ドイツ軍進駐のガーンジー島でひっそりと開催されていた読書会、
戦争が引き起こす死と愛、それを暖かく包み込む本の数々。

一冊の本が人の絆を呼ぶ。
これが本シネマのテーマであり、本を愛する人の連帯賛歌でもある。
僕はといえば
リーリー・ジェームズの美しい島娘を堪能した。
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