大いなる決闘  (1976)

文字数 518文字

【西部劇の未来】 1977/12/1


アメリカ建国200周年に製作された西部劇、今やジョン・フォードを継ぐ才能として期待されるV.マクラグレン監督作だ。
事前情報として、しかしながらバーバラ・ハーシーのレイプシーンに代表される残虐性、血のりべったりのパキンパータッチが宣伝され、正統派西部劇への期待に疑問を抱いていた。
ニューウェイブとして悪のリアリティを一人実証していたのがジェームス・コバーン、マクラグレンの古き良きジョン・フォードスタイルの中で異質を際立たせ、本作をピリリと引き締まったものにしてくれた。

本作は西部劇に新手法を取り入れながら、西部開拓終焉を間近にした時代の変わり目に生きた男たちを丁寧に見つめていた。
原題「THE LAST HARD MEN」がそのことを的確に語っているが、「大いなる西部(1956)」出演のチャ-ルトン・ヘストンの威光を笠に着ただけの邦題だった。
そのヘストンは大いなる西部から20年を経て老保安官が似合うビッグネームになり、コバーンに対抗することでかっての西部劇を支えてくれた。

ただし伝統的西部劇は今頭打ち状態だ、大作ではないが本作は西部劇の一つの未来像を見せてくれていた。
(記:1977年12月1日)
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