グランドフィナーレ (2015)

文字数 514文字

【やがて哀しきセレブ老人】 2016/4/18



セレブが集うスイスの避暑地、そこで人生の悲哀を思い知る二人の老人。
マイケル・ケイン演じる女王陛下御用達の作曲家、
ハーヴェイ・カイテル演じるハリウッドの巨匠監督。
二人はどうやら長年の親友らしい、ひとりは人生に無関心になり 
もう一人は人生をあきらめない。
対照的ではあるが、皮肉で知的な二人の老人が眺める避暑地のセレビリティ連中が
物語を盛り上げる。

役作りに悩む人気男優、離婚の危機を迎えた作曲家の娘、その娘に恋い焦がれる山岳ガイド、
怪しいロシア人夫婦、そしてミス・ユニバース。

二人には秘密がある。
シネマ最後にそれが明らかになる。
誰もが重すぎる人生を背負っていることがわかる。
この辺の、人生の削り出し方はパオロ・ソレンティーノ監督のマエストロ面目躍如だった。
「グレイト・ビューティ」の切々たる過去への執着は消え去り、
人生フィナーレの晴れがましさすら感じた。

しかしながら、所詮はお金持の苦労話なのだ。
セレブ老人とはいえ、人生すべてを獲得することは難しい。
女王陛下の思し召し、
アカデミー女優の愛だけで満足するんだけどな、
下流老人なら。

老婆心:
文字通りのジェーン・フォンダの熱演老婆心にビックリ。

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