バッド・ルーテナント (2009)

文字数 472文字

【「けったいさ」極める】 2010/8/10



【けったいなシネマ】だ。
評判だったというオリジナルは不勉強で見ていないが、
この【けったいさ】は無かったんじゃないか、たぶん。
ニコラス・ケイジのこだわり面目躍如という印象に終始する。

共感できたのは(つまらないことに)主人公の腰痛。
受け取り方にもよるけど、腰痛になるアクシデントまではそれなりのいい刑事だった。
それなりのいい刑事として遂行した人命救助、
そこから転がり込んできたのがこの腰痛と「警部補昇進」。
【けったい】の始まりだった。

痛み止めで「麻薬」にはまる、裏賭博につぎ込む、
あの微妙な絶え間ない痛みは、少しずつ彼の情緒を取り崩していく。
警官特権の恐喝も度を越すと反撃を食らう。
薬中毒、借金、暴力の被害者に立場を変えてしまう悪い警官。
【けったいさ】は絶好調になる。 
そして、
まっすぐに歩けないくらい腰痛のプレッシャーの中、
主人公に訪れたクライマックス。
【けったい】がここに極まる。

腰痛との付き合い歴四十年余の僕は
ただただニコラスの腰痛演技に身を震わせていた。
まったく人騒がせな【けったいな】シネマだ。
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