人生は、奇跡の詩 (2005)

文字数 587文字

【感涙に咽ぶほうを選んだ】 2007/7/7



オリジナルタイトルは《虎と雪》。
主人公アッティリオ(ベニーニ)が、
恋焦がれる魅惑の女性ヴィットリア(ニコレッタ・ブラスキ)に囁かれる・・・
「このローマに雪が降って虎でも現れたら一緒に住んでもいいかな」

ベニーニの企みが見え隠れするこのタイトル、この台詞、なんだか嬉しくなってしまった。
彼の企みは、このタイトルにとどまることなくさまざまに仕掛けられている、
まさに万華鏡のごとく。
ベニーニファンにはこの仕掛けにぜひ実際に嵌まってみて、
その感激に浸るのが一番だと思うので、
仕掛けについては一切ここでは触れたくない。
一般的には、
叙述的トリックというやつは受身の立場、
シネマだと観客にはまったく防ぎようのない最終武器だが、
僕はベニーニのトリックなら、後200回ぐらい嵌まってもいいと思っている。

名作「ライフイズビューティフル」の感動とは少し違う愛の形だが、
僕はこちらの方に肩入れしたい。
相変わらず喋りまくりのベニーニ、
今回は詩の教授という役柄もあって、喋りはとどまる事を知らないかと思いきや、
おいおい、何で肝心なところで喋らないんだよ。

感動を言葉でいかに伝えるかを教える彼が、
一番大切な人に大切なことを伝えたのは・・・・・言葉ではなかった。
よく出来たファンタジーと受け取るか?
イノチェントに魂を揺るがすか?

僕は無条件に感涙に咽ぶほうを選んだ。

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