ハイ・フィデリティ (2000)

文字数 878文字

【異空間の異様な友情】 2007/10/8



どうやらスティーブン・フリアーズ監督も認めているように,
本シネマは良くも悪くもジョン・キューザックシネマ。
ジョンが愛する才能たちがド~ンと勢ぞろいしてまさに百花繚乱のお楽しみだ。

第一はなんってってもジャック・ブラック
・・・・う~んジャックなんだろうな!
登場シーン一発でこの物語を食ってしまう、ジャックファンにはたまらないところだろう。
ほんとは下手くそなのかい?・・って思ってしまうエキセントリック演技についつい引き込まれる。ほんの少しだけ聞かせてくれるジャックのボーカルを聞くだけでも本シネマの価値がある・・・かもね。

ジャックと対照的なのがIben Hjejle(イーベン・ヤイレと発声するらしい)、
全編を通じてジワーッといい女を発揮する。
ハリウッドにいないタイプと思いきやデンマークの女優さんだとか、理想の美形だ(年配好みかも)。主人公中古レコード店主(クールな職だ、オタクといわれようと)の愛のトラウマを解きほぐすほどの「いい女」だ。
眼が平行四辺形のように揺れ動き、あるときは理屈っぽく、ある場面ではセクシーに輝く。
おっと、単に僕の好みのような表現になっちまったけど、すくなくとも本シネマのローラ役では悩める現代女性を好演している、
これまた本シネマ一見価値有のひとつ、

後は友情出演のような:
キャサリン・ゼタ・ジョーンズのエロチックに浸るもよし、
ティム・ロビンソンの存在の臭さに身悶えるもよし、
ブルース・スプリングスティンに聴き惚れるもよし、

当たり面のように、ぽんぽんと飛び出してくる名曲、プレイヤー、バンドの名前に圧倒されるかもしれないが、シネマ面でのお楽しみを脅かすものでもない。
もちろん、懐かしの曲たちがCDではなくレコードで甦るのはまったく不快であるはずもない。

そんな視点から振り返ってみると、
閉ざされた異空間のような中古レコード店内ではぐくまれる、
異様な友情、店主(ジョン・キューザック)と二人の店員(ジャック・ブラック、トッド・ルイーソ)の友情に,うらやましいほど憧れる本音が僕の心に隠れ覗いていた。
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