ブラックブック (2006)

文字数 866文字

【僕の妄想】 2007/9/5



ポール・ヴァーホーヴェン監督里帰り作品と喧伝されると、
妄想逞しくなります・・・「なにゆえに?」。
所詮、東洋のいちシネマファンでハリウッドもオランダも知らないけど・・・ミーハー興味では負けません。

―好意的妄想―
もういい歳なので、オランダ語でオランダのテーマをオランダ国民にお返ししたい、人生に集大成にするぞ!

―悲劇的妄想―
丹精込めた企画を無体にも横取りされそうだ、こうなったら家出するしかない、EUに泣きつこう。

―喜劇的妄想―
ロボットの実績があるから、次の「トラ●ス●ーマ●」を撮れっていわれたらヤダな。帰る!
(念のため:これは僕の妄想であり、特定の人物・団体を示すものではありません)

てなわけですが、
いまさらヴァンホーヴェン監督が、ナチスドイツの悪事を暴きなおし、
ユダヤ人虐を告発するとは露ほども予想しなかったのも事実です。
EU構築の現状から見ても、オランダがナチステーマを深刻に扱う間の悪さはあまりに明白。
僕もいまさら、オランダレジスタンスの悲劇の戦いに胸つまらせたいわけでもないのです。

誤解を承知で敢えて、ジャンル付けすると、
本シネマは、「イージーサスペンス」でしょう。
そこには見事にも、戦争、人種、国境が埋没させられていました。
ドイツ、イギリス、オランダそれぞれに善き人、悪しき人が公平に登場してきます。
サスペンスに徹した監督の潔さに、執拗なストーリ展開に、
爽やかなエンターテイメントすら覚えました。
代替にあるのは、家族、男女、親子の愛。
悪は「犯罪者」の仮面をつけて葬り去られるだけでした。

63年も経過したのだからもう戦争のことはいいじゃない、未来が大切だ・・・とするか?
63年経過しても、忌まわしい過去を忘れてはいけない・・・とするか?
僕は「・・・もういいかもしれない」と思います。
少なくとも、本シネマのような感覚も許されると思ったのです。
ただし、僕は親の世代から戦争の悲惨を聞かされ、戦後の反動としての反戦教育が財産となっています。

ところで僕の妄想、全部あたってたと思うけど、
・・・どうかな?
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