未来は裏切りの彼方に (2019)

文字数 533文字

【スロバキアを学習しました】 2023/4/25


スロバキアシネマという興味で拝見した、最近ご贔屓のミニシアターのおかげである。

ついこの間まではチェコ・スロバキアと言っていたのがいつの間にかスロバキアとして独立した経緯などをこの機会に学習した、かようにシネマは総合芸術であると同時に僕の良き教師でもある。 (それにしてもスロバキアというお国は激動の歴史だったんだね)

物語はナチスドイツの支援の下にスロバキア共和国として独立し、枢軸国側として第二次大戦に参戦した戦争末期の混乱の中に蠢いた男女の騙し合いが淡々と描かれていた。
スロバキア軍から脱走した兵士、その妻と二人して兵器工場で働く、 その工場の専制君主のような社長、労働者のためと称してパワハラセクハラし放題、原題の「小さな王国」という構図が出来上がっていた。

ロシアと戦う兵士がいる一方で、ナチス・国軍に敵対する地下組織がいて、ナチスの威を借りた秘密警察が政治家の汚職を追及するなど、男性理論の戦いが繰り広げられる一方で、何としても生き残ること、子供を守ることを第一に行動する女たちの力強さが人生のアイロニーとなっていた。

手練手管を排したあくまでも素朴な物語構成、昔々のシネマに出逢ったような懐かしさを感じた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み