ボビーZ (2007)

文字数 926文字

【それでもポールはオトコマエ】 2008/4/30



僕はファンとしてポール・ウォーカーにこれからも期待していく。
しかし、
せっかくクリント作品「父親たちの星条旗」出演で日本でもメジャーになったと喜んだ想いも、
これじゃ元の木阿弥じゃないの!こんなこてこてのプログラムシネマでお茶を濁していては!!

もっとも・・・・このシネマ最初パートは超クールだ。
キース・キャラダインの怪しげなイントロダクションから、畳み掛けるように「ボビーZ」身代わり作戦を無理強いされる主人公へのブリーフィングにいたるハイスピード、ハイテンション。
「私をこのままクライマックスに連れてって」・・・の世界だった。

ところがまさかのまさか、次のシーンからの一気の息切れ。
オイオイ、まだ始まったばかりじゃん、マラソンだったら競技場から出て一般道に入ったところだぜ?
どうして、そう判断できるのか?
具体的に論証しろといわれても、「そう感じたから」としか答えようが無いけど、結局クライマックスまで、よくある「手抜き感」が背中に張り付いたまま、うっとおしいプログラムシネマの匂いを嗅ぎっぱなし状態だった。

この手のストーリーに付きものの策略、裏切りなども一通り盛り込まれている。
アクションに関しても、格闘技、ガン、ナイフ、爆弾・・と幅広く取り揃え、追跡シーンひとつとってみても、カーのみならず馬、オートバイそして飛行機まで動員している。
お色気サービスもそこそこに散りばめられ、でしゃばらない程度に眼を楽しませてくれる。

それじゃ、一体僕はなにが不満だったのか?
恐ろしい事実に気づいてしまった。

僕は、本シネマに「ポール・ウォーカー」主演という根拠でアプローチしたが、結局のところ彼に満足することができなかったのではないかと、我が身を疑ってしまった。

本シネマではポールは、美形一本勝負だ、ハンサムでかっこいい。
その代償として期待のアクションシーンがステレオタイプだったし、子役とのコミュニケーションもぎこちなかった。
すべてが薄っぺらく奥行きが感じられない安直な創りだった。

結論:
美形ポール・ウォーカーには汚れ役が似合う。
本シネマはそんな汚れ役を標榜しながら、やはりポールの美形に頼ってしまい、
紛い物に落ち果てた。
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