フライボーイズ (2006)

文字数 620文字

【上仕上がりゲーム】 2008/4/20



第一次世界大戦での複葉戦闘機乗りの冒険團。
マニアックな仕上がり。
この空の戦いには、馬上槍試合を見るような騎士道精神が残されていた。
現代の戦争にあるTVゲーム感覚からすれば、
古色蒼然とした命のやりとりがマニアには受ける。

アメリカ義勇軍としてこの戦いに参加した若者たちにはそれぞれの理由、思惑があった。
このあたりのリベラルさが、アメリカ覇権主義から一線を画していて愉快でもある。
とはいっても、大義の名に隠れた殺し合いには違いない。
戦闘員以外の犠牲者を考えれば、「勝手に冒険しなさい」
・・・・と一歩譲ることもかなわない。

いまどき、なぜこのシネマが製作されたのだろう?
想像すると、
おそらくはSFXで可能になったの新たな戦闘映像だったのだろう。
潤沢な製作費用を自慢しているようだが、
残念なことにSFXに凝れば凝るほどリアリズムから遠ざかっていた。

ふと、名作「ブルーマックス」が懐かしく思い出される。
本物を復元し、実際に飛行させた映画人の熱意にロマンを感じたものだ。
もしかして無いものねだりをしているのだろうか?

そんな閉塞感のなか、
ジェームス・フランコの明るさが救いだった。
フランス語が話せない義勇兵がフランス女性に恋する設定を、
リアリズムと受け取るか?コメディと考えるか・・・・。
戦闘機乗りの恋にしてはさほど深刻ではなかったが、
これは本シネマ全体のタッチでもある。

皮肉なことに、TVゲームに近い仕上がりだった。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み