ポセイドンヴェンチャー 2 (1979)

文字数 766文字

【パート2のミッション達成】 1979/10/2



今度こそ「ポセイドン号」は完全に沈んだよね・・・というのが本シネマへの偽らざる感想になった。
これは、パート2シネマへの皮肉などではなく、前作を見終わって際の素直な気持ちだった、あれだけの乗船客がいたのだから、ハックマン神父グループだけが助かるのは理に合わないと悲しみを感じたのだ。

そのあたりのシネマファンの気持を汲み取った続編が本シネマだった。
だから全編深刻さは感じられない、今回命を失う人間もいることはいるが、ポセイドン・アドベンチャーに因する死者は一人のみ、前作でハックマン神父があれほどまでに苦労して船底に向けて昇っていく姿は、シネマ史に残るアクションシーンになったが、
今回は人々が終始上へ下へとポセイドン中を動き回るため、避難客の位置関係が最後まで不明のままだった。

その手法は前作の絶望感に苛まれる思いの再現を避けたいという、僕の想いにも通じていた。
その思いを汲み取ってくれるのが命の塊りのような輝ける女性(サリー・フィールド)、彼女に呼び寄せられるように船内のあちこちから生存者が姿を現してくる、ここにパート2のミッションが確立していた。

脱出アクションが前作と重なるのはパート2の宿命で致し方ないところなので、ここはゲスト俳優のパフォーマンスを楽しむのだ。
ピーター・ボイルがセリフをしっかり喋り終えてから息を引き取ったり、テリー・サバラスが嘘丸出しの善人面で登場するあたりが観どころか。
カタルシスは「マッケンナの黄金」になるかなと思っていたらその通りという、パート2でありながら名作パロディというおかしな結末だった。
それでもイントロシークエンスで、ハックマン神父の姿(死体)らしきものが映り込んでいたりする、パート2ならではのサービスが嬉しかった。
(記:1979/10/2)

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