さざなみ (2015)

文字数 564文字

【人生も シネマ鑑賞も 我慢が大切】 2016/4/12



原題 「45年間」、夫婦にとって長い時間だったろうか、いやそうでもないと思う。
僕は43年たっているが、時間を持て余した想いはない。

物語は45周年パーティーを控えたご夫婦の一週間を淡々と描く。
ほとんど夫婦(シャーロット・ランプリングとトム・コートネイ)のシーンに終始する。
勝手ながら、こんなシネマ若い方々が観るモチベーションもインセンティブもないだろうな。
といって、僕のような高齢者夫婦で観るのも冒険ものだ、観終わった後の会話が怖そうだ。

ご主人が過去の綺麗な思い出に浸っていくのを冷ややかに見つめる妻の姿をそこにみる。
想像ではあるが、ご主人は認知症を発症しているのだろう、
奥様のことを気に懸けない、気配りしない時間帯が増えてくる。
意地悪にみると、ご主人の精神的裏切りが本作のテーマなのかもしれないが、
ここは一つの老人問題提起だと受け取った。

ご主人は79歳、奥様はおそらくそれよりずっと若い設定になっているので、
その懸念もまんざら外れてはいない。

つまるところ、本シネマは老人性の油断に伴う夫婦の信頼崩壊物語だった。
最後の最後でカタストロフィーが訪れる、
「煙が目に沁みてるんじゃないよ、怒ってんの」

もし、恐ろしい秘密を抱えたまま老境に差し掛かる方がいるのであれば、ご用心ご用心。

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