幼な子われらに生まれ (2017)

文字数 658文字

【人生は喜劇・・・と笑って前に進め】 2017/8/29



ひとつの新しい命の誕生をめぐって、生きていくことの穏やかならざることを謳いあげる。
主人公(浅野忠信さん)と奥様(田中麗奈さん)には二人の愛らしいお嬢さんがいる。
高齢出産に挑戦してもう一人産もうとしたことから予期せぬ家庭崩壊の危機に至るまでが描かれる。
この二人のお嬢さんは奥様の前の結婚での子供たち、
小学6年生の長女は言いようのない不安から主人公を受け入れなくなる
・・・弟ができたら自分は捨てられるに違いないと。
幼稚園の妹にまで八つ当たりした挙句の果てには、別れた父親に会いたいと拗ね
る…父の暴力のトラウマがあるのにかかわらず。

一方で、主人公も離婚しており別れた妻(寺島しのぶさん)のもとに娘がいる。
年4回の面会を楽しみにしているが、今の家族からはそのことは歓迎されない。
その娘も新しい命の出現によって自分は切り捨てられると心配している。

ざっとこんなような登場人物が「赤ん坊誕生」までに繰り広げる辛い想いの数々、
だったら離婚など子供など、いやいや結婚などしなければいいのにという結論になってしまう。

そんな突き放したような人生観に達したのが二人の娘の元父親(宮藤官九郎さん)、
結婚も子供もうるさいばかりで面倒だという。
主人公は、二人の義理の娘、実の娘、元妻と現妻に生真面目に話しかける、
融通の利かないことに気付くことなく。

いつもシャツのボタンを一番上までかけているような主人公、
これから先も決して安泰な人生ではないようだけど、
人生は喜劇だと思えば辛くもないだろう。

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