L.A. ギャング ストーリー (2012)

文字数 898文字

【LA.ニャンニャンストーリー】 2013/5/6



「銃規制」って何?という古き善き時代のマッチョストーリだった。
第二次世界大戦後の混乱したLAの裏社会を一言で表したのが「男はみんなバッジを持っている・・・」云々の主人公モノローグ:
★暴力と買収でLAをすべて支配しようとするユダヤ人ギャング、既存のギャングスターが獲得できなかった「大きなバッジ」を追い求める
★祖国の繁栄のために戦ってきた「バッジ」を警官として証明したいマッチョたち
★マッチョな男を実質的サポートするこれまた「フェミニンバッジ」の女たち

戦の間に(まともな男たちが戦場にいた間に)、銃後で私財を拡大した男たちがいるのは長い歴史の中でも知られた事実だ。
LAでも戦争の間に新興勢力ギャングが裏社会のみならず、警察、判事などの司法機関を汚染していた、その頭目がショーン・ペン演じるミッキー・コーヘン。

そういえば「LAコンフィデンシャル」はミッキー・コーヘン退場後のLA警察の実態を描いた名作だったことが思い出される。
今シネマは、ミッキー・コーヘンの一途な野望に反抗した警官の仁義なき戦いだった。
この警官を演じるのが、ジョッシュ・ブローリン、ライアン・ゴスリング。
久しぶりの個性派俳優二人に大御所ショーン・ペンをまとめて観ることができる映画ファンの幸せに酔ってしまいそうになる。

ところがどっこい、
ショーンが憎めない(?)ギャングを怪演すればするほどに、
ジョッシュが「戦争PTSD」のように戦いを渇望すればするほどに
ライアンがギャングスターの愛人に恋焦がれるほどに、
シネマの調和が崩れていくのを目の当たりにしてしまう。

常々、シネマは総合エンタメ芸術だと信じている。
オリジナルタイトル(Gangster Squad)にあるとおりの「対ギャング特殊分隊」のメンバーリクルーティングから最後のギャングの要塞突入に至るまで、大枠は固まっているのに細部の繋ぎに丁寧さが感じられなく、いくらシネマとはいえ不可解さが見え隠れした。

このレベルをして失敗作というには勿体無いし、
役者ラインナップをして意欲作というにも足りない。
困ってしまって、ニャンニャンだった。
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