ザ・クリエイター/創造者 (2023)

文字数 940文字

【昔の名前で出ています】 2023/10/23


少し反省している。
いつも事前情報を吟味しないことを、今回は少し反省している。

今シネマのキーワード、というか殺し文句ともいえるのが「ローグ・ワン」のギャレス・エドワード監督作品というところだったが、そこに落とし穴が潜んでいた。
「ローグ・ワン(2016)」は今更念押すまでもなくスター・ウォーズ サーガの前日譚であるから、しっかりとルーカス・コンセプトの枠内にはまっていた。
しかるに、本シネマはギャレス・エドワードオリジナルとしてまるで異なった世界観のもとに作られていた。

「ローグ・ワン」がはるか昔の宇宙の物語りならば、本作は近未来の地球の戦争が舞台、争うのは人間とAIというのも生々しいテーマだった、つまるところ全く違うテイストのシネマなのに、ぼくはスター・ウォーズを求めていた、大きな落とし穴に落ち込んだみたいだった。

テーマ以外にもキャスティングの甘い餌もあった、ジョン・デイヴィッド・ワシントンと渡辺謙の二人だ。 もしも陳腐な展開になったとしても、この二人を拝見するだけでも充分だ、そもそも そんな様相にはなるまい・・・・と思ったのも事実だ。

以上、ダラダラと言い訳めいた感想を述べた、恨みに近い感想だ。
AIと人間の成長は今ホットな話題であるにもかかわらず、シネマではバッサリと人間とAIの美しい協調成長を切りすててしまう。
あろうことか現在のアメリカとアジアの軋轢をAIリスクに代替させる、そこにべトナム侵略戦争のパロディ映像の悪趣味を見た。

そんな敵対関係の一方の親分を謙さんがステレオタイプに演じる、AIの役なのでアジア人(日本人)の矜持を示すことも敵わない。
もう片方のアメリカの工作員(こちらは人間)を演じるワシントンは、ただただ愛する女性を追い求めるだけの能天気近視眼ファイター、ちぐはぐな展開に溶け込まないステレオタイプヒーローのままで終わる。
全く 俳優の浪費だった、ぼくのせめてもの想いもフェールセーフにはなり得なかった。

とどめのようなエンディングシーン、スター・ウォーズのどこかのエピソードで観たことのあるような崩壊シーン、
昔の名前で出ています・・・最後まで似非スター・ウォーズでしかなかった。
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