キングダム2  遥かなる大地へ (2022)

文字数 829文字

【軌道に乗ってきたキングダム・サーガ】 2022/7/19



前作(第1作)が「痛快」という印象が強い,シネマらしい壮大活劇に仕上がっていた。
中国史劇を日本が創作するという一点だけにフォーカスしても興味深かった。
余計な詮索だけど、前作は中国で公開されたのだろうか、ヒットしたのだろうか?

続編(第2作)を期待していたところ、予告編でちょっと心配になった。
若手俳優二人がメインになっているらしいのはいささかも問題ないのだが、このお二人が怒鳴り合うシーンばかり、あのサーガの趣は何処に消えたのか、はたまたアイドル路線を突き進むのか・・と懸念した。

本編を拝見して心配は杞憂だったことを確認した。
「続編に名作なし」と言われるが、本シリーズはかなりの編を重ねるに違いないことから、本作は続編というよりエピソード2と言える。
エピソード1で活躍したにもかかわらず、一歩兵として魏との戦争に従軍する将来の大将軍を夢見る主人公青年が今エピソードでも本職の軍人を差し置いて獅子奮迅の活躍をするという安直な筋書きだが、秦の中国統一をシミュレーションするというゲーム感覚が遺憾なく醸し出されていて、若者のみならず幅広い年代にマーケティングされていた。

さて、予告編から感じた違和感は単純な(あるいは意図した)編集の誤作動だった。
主人公と相棒の若者二人が怒鳴り合うのは、至極尤もな理由があったし、戦場では皆怒鳴り合うものなのだろう(経験はないが)。
全編大部分を占める戦闘シーンも予告編から想像する以上の緊迫感とバラエティに満ちていたし、ベテラン俳優起用の意図も最後になってようやく納得がいく展開になる、特に大沢たかおさんのやり過ぎ感いっぱいの役作りには前回同様吹き出さずにはいられなかった、今後本シリーズのお楽しみになりそうだ。
 
更なる出世を大将軍を目指す「信」を演じる山崎賢人さんが本サーガとともに成長していく姿を追いかけていきたいものだ。
ユニークなシリーズ、キングダムが軌道に乗ってきた。
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