ディパーテッド (2006)

文字数 881文字

【さあ、ジャックのファンはお見逃しなく】 2007/1/21



オリジナルが香港映画「インファナルアフェアー」で、そのリメイクということぐらいの情報はあったが、香港映画そのものを好きではなく、その原作も未見だ。ちなみに香港犯罪映画のスタイリッシュにはどうしても馴染めないのは、僕が二十歳前後の頃、東映やくざ映画でその手の様式美には満腹しているからだろうか。
而して、いい意味で、白紙の状態でこのシネマを観ることができたと思う。

さて結果はというと、レオ様ことレオナルド・デカプリオと知的演技派マット・デイモンが共演しジャック・ニコルソンはじめベテランのクセ有り役者が周りを固める典型的なハリウッドリメイクシネマに仕上がっている。
それを僕らの世代でわかりやすくたとえれば、黒澤明の《七人の侍》が《荒野の七人》になったと想像すればいいのかもしれない。
監督はじめビッグネームがずらりと揃って  
無視できない光線、観ないわけにはいかない光線を撒き散らしてる。

ストーリーは、いかにも香港クライムシネマらしい陰鬱な話だ。
潜入刑事と潜入犯罪組織人(互いにネズミと蔑み合ってたが)が生き延びるための壮絶なカモフラージュに怯え、二重生活、二重人格に精神的崩壊ををきたす・・その救いとは?がテーマだ。
ただしその意図に反して、本リメイクシネマの流れはどちらがクールでスマートか・・を争う勝ち負けゲームになっている。想像するしかないが、オリジナルはもっと湿って粘っこかったんじゃないかな。
繰り返しになるが、でもそれでよかったと思う、これがハリウッド流の解釈なのだろう。

それに、なんと言っても久しぶりにジャックニコルソンの怪演を拝むことができた。最近少しおとなしくなっていたかと思いきや、「シャイニング」を思い起こさせる、もう誰も止められないぞ~演技にはまっていた。結構シリアスなシーンで、これをやられると、笑っていいものかと一瞬思案してしまう。僕は思い切り笑わせてもらいましたが。

今回のベストは、ネズミの物まね。怖いけど笑ってしまう・・・これこそ名優。
さあ、ジャックのファンはお見逃しなくなく。
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