真田十勇士 (2016)

文字数 572文字

【講談+アニメ+歌舞伎=快作シネマ】 2016/9/22



いつものように事前情報なしで拝見したが、冒頭のアニメにはびっくりし
勘違い?失敗か?と思ったホントに。
「本作はアニメではありません(スーパーインポーズ)」に苦笑い。
開始早々、これは歌舞伎舞台のカリカチュアシネマという思いにいたった。
もっともその感覚は勘九郎佐助のパフォーマンスによるものではあるし、
十勇士紹介シーンのミニマム背景と役者顔アップのせいでもあった。

シネマは演目どおりに、十勇士の面々が几帳面に紹介されエピソードも重ねられていく。
大昔に読みふけった講談本の匂いが漂っているようだった。

しかし、大坂の陣シーンは一転してリアルな映像描写に手に汗握ることになる。
十勇士の殺陣アクションは歌舞伎とは反対に血糊を多用したサム・ペキンパー様式だった。

そして大団円のクライマックス、夏の陣 落城寸前の大阪城内、
ここで再び舞台に立ち戻る。
この最終幕に登場する
佐助(中務勘九郎)、
才蔵(松坂桃李)、
秀頼(永山絢斗)
そして淀君(大竹しのぶ)の絡み合いは
舞台の醍醐味そのものだった。
結局は濃密な舞台に戻っていた。

忘れてはいけない真田幸村様だが、
元々優柔不断の偽ヒーローが
家康本陣突入で誠の大将になったという脚本解釈も愉快だった。

なにせ主役は佐助・才蔵のヤング忍者だから、
ここは幸村様も「忍忍」でしょう。

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