ラ・ラ・ランド (2016)

文字数 604文字

【狂気の夢追い人たち、絶品ミュージカル】 2017/2/24



「ボーイ ミーツ ガール」の古典的恋愛劇とサクセスストーリーと切ない追憶。

いささか年を食った売れない女優志願と
良き時代のジャズに固執するピアニストをボーイ&ガールと呼ぶのも、
彼らが少しの狂気をもった夢追い人だから。
女優だった叔母のように自由に生きたいと願うガール、
死に瀕したジャズを救うミッションに挑むボーイ。
二人のちっぽけな夢がどんなに咲き開くのか?
ジャズをメインとした音楽シーンが僕には至福のミュージカルとなった。

実は少しの狂気と夢を追い求めたのはシネマの主人公二人だけではない。
製作スタッフは、ハリウッドミュージカルに新しい風を吹かせようとしていた。
オープニングとエンディングの群衆ミュージカルシーンこそ、
オーソドックスでいて退屈な体裁にしているが、
全編そこかしこに今までには考えられなかったミュージカルシーンが試されていた。

ボーイ&ガールがハリウッドの夜景でデイトするシーンで、
ガールはダンスシューズに履き替えてから踊りだす。
日の名残り桟橋でのボーイのソロ、街灯と海が切ない。
叔母のことを即興で語りだすオーディションでのガール、暗闇に浮き出るシルエット。
そして圧巻だったのは、エピローグにもなっている追憶シーンに垣間見る
「if」 ・・・アナザーストーリーの哀しさ。

エマ・ストーンの輝き、ライアン・ゴスリングのぎこちなさ、
どちらも素敵だった。





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