メタモルフォーゼの縁側  (2022)

文字数 697文字

【やはり愛菜さんは天才だ】 2022/6/17



観どころは、何といっても愛菜さんと信子さんの競演だった。
新旧の演技派女優対決というありきたりの言葉では表すことのできない深い想いに浸るのは僕がヘヴィーなシネマファンだから。
「パシフィックリム(2013)」以降は愛菜さんの「泣きシーン」を見たくて彼女を追っかけている、マニアと言ってもいいかもしれない。

マニアと言えば、本シネマの重要なカードとしてBLがセットされている、
ゲイをソフトに表現したものなのか、ゲイをジョブナイルした単語なのか詳しく調べたこともないが、本作にもあるようにコミックでも今流行りらしい、シネマでは「君の名前で僕を呼んで(2017)」でシャラメが衝撃のデビューをしたことは記憶に重く残っている。
(本シネマでキーになるBL漫画「君のことだけ見ていたい」とタイトルが微妙に重ねるのが面白い)
もっとも、本シネマではBLはあくまで触媒、老婦人と高校生を結び、そこにメタモルフォーゼを呼び起こす道具となっている。
金曜日のマチネーに女子高生がグループでシネコンに登場する異常な光景はBLブームを裏付けるものだとしても。

物語はBL愛好家のふたり(老婦人と女子高生)の成長を描く・・・といえばあまりにそっけない表現だがそれ以上でも以下でもない。BL漫画を描くことから将来を真剣に意識する少女、幼いころの一途な自分を思い出し最後の挑戦に踏み出す老婆。

肝心なのは その二人を演じる女優二人だった。
この二人をずっと観ていても全く飽きることがない、演技をしていることすら僕は気づかない。
芦田愛菜さん、宮本信子さん、女優の力を見せつけていただきありがとう。
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