アリスのままで (2014)

文字数 539文字

【若年性アルツハイマー症に理解を】 2015/6/29



渡辺謙さん主演の「明日の記憶(2006)」の強烈な印象がほとんど薄れかかっていた今また、若年性アルツハイマーシネマに再会しました。
特異な病気だということもあるのでしょうか、発症からエンディングまで「明日の記憶」の既視感に苛まれながら主人公の不幸に付き合いました。

本シネマは女性が患者という違いはありますが、
人生順風満帆の絶頂で発病により奈落に突き落とされる点、
家族の理解と献身によって、最後は病に向き合う(合わざるを得ない)ことになる点、
死を選ぶことすらできなかったという点など、似たような状況が繰り返されていました。
この病気は、そんな対応しかできないのでしょう、
そんな悔しい想いにちょっと腹が立っていました。

病進行のなか、言語学者ならではの無念を表明する主人公の大きな勇気に励まされ、
自分へのメッセージを不思議そうに見つめる主人公に胸が詰まり、
最後まで「愛」という概念を忘却しなかった主人公に人類の希望を感じ、
ハリウッドらしい家族の独善ぶりにちょっと胸焼けがしていました。

それでも、
「明日の記憶」が渡辺謙さんなくして存在しないように、本シネマもジュリアン・ムーアの神がかり演技なくしては成立しなかったことは納得できました。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み