ROCK YOU! [ロック・ユー!] (2001) 

文字数 1,164文字

【「血湧き肉躍る」】 2007/6/27



自他共に認める「方向音痴」の僕、
社内でも1,2を争うといわれ、1位を譲ろうにも相手も受け入れてくれない毎日です。
「方向音痴」の挙動はそれこそシネマにできるほど奇怪、愉快ですが、
そのほんのひとつに:
「人に尋ねない」という傾向があるようです。

本シネマ「ロック・ユー」は運命的擦れ違いなのでしょうか、
劇場で見逃し、
TV放映も気づかず、
DVDも見つけられませんでした。
でも観たかった。
渋谷のTでこの半年いっぱい探索しておりました、見つかりませんでした。
1ヶ月ほど前から「店員さんに聞くぞ!」と決心してみては、
実際ショップに入るとひとりで店内を彷徨っておりました、まるで方向を失ったかのように。
先日捜索に疲れきって、とうとうお尋ねしました。
「ロック下さい」
案ずるより産むが易し・・・、3秒で手渡してくれました。
これほどの苦労、困難を経てめぐり合った本作、まさに僕の運命の1本になりました。

「血湧き肉躍る」などと古色蒼然たる表現で申し訳ないのですが、
僕の心に最初浮かんだキーワードでした。
いかにも脚本がよくできているのです。
続けて「世迷い事」を並べます、しばしご勘弁。

●なんといっても僕は西洋チャンバラが好きだ、馬上槍試合をこんなにまとめてみたことない、歴史的快挙だ。
●平民が騎士(ナイト)になる、運命は自ら切り開く・・・・がんばれ階級格差突破。
●ついでに貴族のお姫様も物にするぞ・・・「愛は希望から始まる」だって、泣ける。
●クィーンの楽曲がオープニングとエンディングに使われてる、いつの時代もキーポンロッキンだぜ、ベイビィ~。
●ファッションはシネマのへそ、お姫様のお洋服はまるでジバンシー、シャネル、ラルフローレン、あぁ~うっとり。
●二人の恋は中世の時間を超越した現代感覚、そうか、タイムマシンも怨念も必要ないナチュラルタイムスリップだ。
●男優が色っぽいね~、ヒースはもちろんルーファス・シーウェルが貴族美形、ポール・ベタニーは裸で勝負だ。
●個性派美人シャニン・ソサモン、ひとりオートクチュールできれい、なによりヒースをしっかり支えている
●脇もかっちり、鎧(ナイキブランド?)を手作りする女鍛冶師とエドワード王子が気にいった。

このシネマで一番気に入ったのは主人公ウィリアムがナイトになりたい理由。
最初、馬上槍試合は貴族しか出場できないその理由だけで身分を偽るが、
その後ドラマチックにも、ナイトの大儀を自然と身にまとっていく。
シネマのなかでも従者に指摘されるが、騎士になる前はだれも皆平民(ビートルズだって)。
平民は自ら望んで貴族に成り上がるしかないのだろう、
そこに伴うノーブレス・オブリージを体得して。

これが「血湧き肉躍る」でなくてどうしよう。
今更ではありますが、良いシネマに興奮し、満足しました。
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