セトウツミ (2016)

文字数 520文字

【なるほど こんな青春もいいな】 2016/7/13



「しゃべくり」だけでシネマ本編を完成するとの数少ないマイ情報だったが、
怖いもの見たさの興味が克った。
結果、思い切り予断を覆しての快作だった。
高校二年生の二人の少年がおもろい話を繰り返す短編集
(第0話~第6話+エピローグ)構成、上質の連続コントだった。

瀬戸小吉(菅田将暉さん)と内海想(池松壮亮さん)の
セトウツミコンビの漫才と考えると分かりやすいが、
笑っているうちに青春のほろ苦さを思い出してしまった。
実際には全くの二人芝居(二人台詞)ではなく、
現実から遊離しない程度の関連人物はチラリと顔を出す。
それは憧れの女子(片や煩い女子)であったり、セトの家族だったり、怖い先輩だったりする。

この程よいリアル感の中での二人の現実離れした会話が実に小気味よい、
なにやら形而上学的思い込みにもなりそうだ。
毎日の時間つぶしの会話の中に、二人の青春の鬱積が込められていた。
二人のとりとめのない話題、ツッコミとボケ、相手を思いやる真心、
なんだか二人が羨ましくなった。

受験勉強、部活動、恋愛、スポーツが高校生活のシンボルでなければいけない理由もない。
ゆったりした一時間半の友との語らい、こんな青春もいいもんだ。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み