殯(もがり)の森 (2007)

文字数 666文字

【まず反省】 2008/5/4



日仏合作だったんだ・・・・
でもこれは商業シネマじゃないよね。
記録映像だと思うけど、そこに何かしらスピリッチャルな想いが込められたんだろうな。
想い・・・というよりは誤解なのかもしれない。
東洋的死生観ってやつに、フランス人はめっきり弱い。
弱いというよりは、勘違いしやすい国民性があるんだと思う。

そんなこんなで、
美しい神秘的オリエンタル映像にフレンチエスプリを誤って化学反応させると、
当事者である日本人には退屈極まりない異次元結晶が創生される。

一方、
僕なんかでは感応しない高すぎる芸術レベルの作品だという見方も当然考慮すべきだ。
その場合、商業シネマを観たいと思っていた僕に非があるだろう。
でも、ちょっと待ってください。
確かに美しい日本の山々、緑の森の映像は創り手の感動があふれ出ていたけど、
主人公二人の喪失感をテーマにしたストーリーは深淵を超えてラフ、
僕の想像力もさすがに追いつかない。
演出を控えドキュメンタリー風味をもくろんだキャスティングも、
敢え無く逆にそのデメリットを露呈した。
俳優の演技はほんのひとかけらでも効果があるもの・・・つくづく実感したものだ。
「シネマは総合芸術」の認識を新たにした。

くどいようだが、
フランス人にしてみると日本人は皆能面のように無表情と思い込んでいるところがある。
だからこそ、このキャスティングに大きな違和感を感じなかったのだろうし、
それだからこその多大な評価だったのだろう。

大きな勘違いシネマだけど、
ここからなにが不足し、なにが必要だということがわかる。
進歩には、まず反省。



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