ロダン カミーユと永遠のアトリエ (2017)

文字数 566文字

【記念:ロダン没100年】 2017/11/13



1917年11月17日に没したオーギュスト・ロダン、
今週末に没100年になる節目として製作された伝記シネマ、
よほどのファンでないと馴染まないだろう。
ファンというのは無論彫刻ファンだし、僕のようなシネマファン。

シネマの思いがけないお楽しみとして、
よく知らないが有名人の内面に触れられること、例えばこのような生真面目な伝記タイプ。
今シネマではロダンが彫刻界で有名になった40代からの創作過程を事細かく描いてみせる。
ダンテ神曲、地獄編の一部を再現した地獄門製作の気の遠くなるような工程は僕には興味深かった。
「カレーの市民」の内面を取り込む思想、「バルザックの立像」の先見性、数多くのモデル譲の肢体にも納得していた。

シネマの伏流としてロダンの奔放な愛のかたちが取り上げられる。
第二の愛人の地位を承服できないカミーユとの破綻、長年連れ添ったローズへの依存、フランスらしい愛の形態にいまさら驚くこともない。

さりげなく触れられていたのは、既存の芸術モラルへの挑戦と不遇の仲間への無償の友情だった。ロダンが近代彫刻の父と称せられるのはこの幅広い交友関係からも十分納得できる。
手短にロダンと19世紀のフランス美術界を勉強できる、
そこには日本美術(浮世絵)が彼に影響を与えたと示唆するエピソードもあった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み