ライフ・イットセルフ 未来に続く物語 (2018)

文字数 608文字

【想いを継ぐ】 2019/11/25



プロットと編集と名優のシネマ、心は鷲づかみにされる。

世代を超えた二つのファミリーの運命の交錯を4つの章に分解して描く
手際の良さとアイデアがにツボに入る、ドンピシャに。
小説にすればチャチなプロットにしか過ぎないところを、
シネマは各章に愛のキーを残像のように僕の記憶に残して進んでいく。

悲劇を引きずって生きる孤児少女の怒り、
その悲劇から抜け出すために新たな悲劇を経験した青年、
すべては果てしない流れのなかにとどめ置かれる愛情のためだとわかる
エンディングに心を大きく揺り動かされる。

そのような意義を人生に感じてきだした年頃だからこそ、
余計に、もしかして異様に感情を刺激されたのかもしれない。

ありえない奇跡の巡り逢い、それをフェイクの一言で受け容れなければ、
いつまでたってもシネマを愛でることはできないだろう。
本作は、辛い悲しい泣きたくなるような人生でも、
その困難に立ち向かっていく意味があると、力づけてくれる。

ニューヨークの雑踏のなか、
アンダルシアのオリーブの木々のなか、愛と哀しみが育まれ、
もう一度 ニューヨークでその奇跡を呼び起こす。
こんな世の中だから奇跡を見てみたい、せめてシネマのなかで。

オスカー・アイザックの狂おしいほどの愛、
オリヴィア・ワイルドのクールな愛、
アントニオ・バンデラスの無償の愛、
ライア・コスタの献身の愛、

ほんとうに佳いシネマでした、ありがとうキノフィルムさん。

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