dot the i ドット・ジ・アイ (2003)

文字数 854文字

【綺麗なお姉さんは好きですか?】 2007/10/8



綺麗なお姉さんは好きですか?
マドリードから来たちょっと謎のある綺麗なお姉さんでも好きですか?
はい、僕は大好きになりました、ナタリア・ヴェルベケお姉さん。

ガエル・ガルシア・ベルナル主演のシネマだったのだろうが、
完璧にナタリアの魅力の前ににシネマそのものが跪いてしまったのごとく感じられる。
というより、僕自身がメロメロになったというのが正確だけど。

シネマ自身はサスペンスを標榜し、実際冒頭から普通ではない展開に心わくわくどきどきする。
ハンディカメラ映像の手振れ感の謎めかしさと、場面切り替えのスピードに追いつこうとするだけで僕は興奮していた。
基本となる映像は、それでもしっかりと安定していてテクニカル面での奇抜さは謙虚に抑えられている。
今年一番失望した「B」の揺れ動くカメラワークとは対照的で好感が持てた。
「B」にも出演していたガエル・ガルシアも本来の繊細な性格俳優本領を前面に出しての好演、
彼の特長が生かされていた。

実は、これ以上コメントできないくらい、本シネマはプロットが重要になっていて、
それをばらすつもりはさらさらない。
といって、そのプロットも「どんでん返しベスト10」にノミネートするほどのものでもない。
ネタバレマークをつけることなく、お伝えするとすれば;
ナチュラルにシネマの流れに身を任せてみてください・・・というしかない。
後知恵ではいくらでもプロットの脆弱さをあげつらうことができるかもしれない、また実際そうしたい気持ちわからないでもない。
しかしながら、それでもこの平常さ加減、ミドルレンジが実は心地いいのだ。

敢えてお願いするとすれば「綺麗なお姉さん」に免じて、ラストシークエンスまでお付き合いいただき、びっくりして欲しい。
僕はといえば、正直なところエンディングで久しぶりに「いいぞっ」って、拍手をしていた、TVの前で。複数回サプライズさせないと観客を魅了できないと思っているシネマ製作者にはアンチ強迫概念的教訓だろう。

僕は満足した、これで十分。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み