ミリオンダラー・アーム (2014)

文字数 809文字

【野球はやっぱりアメリカの心】 2014/10/5



どうしてなんだろう、アメリカ野球シネマにはいつも泣かされる。
「フィールド・オブ・ドリームス」「オールド・ルーキー」そして近年では
クリントの「人生の特等席」に胸が詰まってしまったものだ。
それは、ボールゲーム(野球)をアメリカ人が愛し続け、
これからもそうありたいと想う気持ちが一杯詰まっているからだろう。
ただ今作はインド人メジャーリーガー?
ちょっと変化球なのか?と懸念して観させていただいた。

スポーツエージェントの主人公が経営に行き詰まり最後の賭けとして、
苦し紛れにインドでのタレント発掘企画を生み出す。
題して「ミリオンダラー・アーム」というメジャーピッチャーへの登竜門プロジェクトだ。
なるほど、12億の人口がほとんで手つかずの野球マーケットだ。
選手の採用もさることながら、野球ビジネスとしてのポテンシャルは限りない。
作品中でも、MLBグッズの売り上げが云々され、
経済発展途上の12億人のマーケットに乗り出す主人公と二人の若者が
利益と夢を目指す物語だった。

お約束通り、
成功に至るまでのトラブル、失敗、挫折が面白おかしく描かれる。
主人公の恋愛物語も付録でついてきて心温かくさせてくれるのも、
さもありなんという印象だった。

このストーリーが実話に基づくことが冒頭のクレジットで触れてはいたが、
エンディングロールでは実在の登場人物が続々と紹介される。
もちろん脚色は数多くあるのだろうが、
ほとんど再現ドラマだったことに、ここに至ってようやく気づく。

あぁ、やっぱり、
アメリカ野球はアメリカ人にとって「ビッグドリーム」なのだと痛感してしまう。

古いシネマ、ゲイリー・クーパーの「打撃王」を観て涙する主人公カップル。
エージェントの立場を捨てて、球団オーナーに「夢」を語り商談に失敗してしまう主人公。

「野球はビジネスではない、お楽しみなんだ」
という彼の言葉がアメリカ人の本音だと信じていたい。

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