とんび (2021)

文字数 799文字

【美形とんび】 2022/4/11



原作もTVドラマ(2回!)も知らないまま、いきなりの本編拝見となった。
キーワードは瀬々監督でしかなかった。
瀬々フィルムは、その鑑賞印象が僕にとっては落差の大きかった経験があり、それでも「SEE YOU NEXT」と思わせてしまう何かに惹かれる、今シネマも事前情報なしで臨んだ。
後知恵であるが、前述のとおり2回もTVドラマ化されていることを知った。
物語りは父・息子の深い因縁がテーマになっている故に、二人のキャスティングが命運を決めると言える。
ちなみにTVドラマでは、「堤真一/池松壮亮」、「内野聖陽/佐藤健」が主人公父息子を演じたとのことだ。
本音をここで申し上げると、この二組のどちらでもいいから、本編で観たかった。
原作未読に関しては、重松作品との縁がないだけであるので評価の対象にすらならないものの、原作のテイストから推察すると、TV版のキャスティングが僕の感性にはすとんと受け入れられるし、だからこそ俳優としてじっくりと見て見たかった。
とはいっても、今シネマでの「阿部寛・北村匠海」ペアを貶めるつもりは全くない。
このお二人は、「綺麗すぎる」、ただその点がエンディングに至るまで僕の脳内をウロチョロして始末に負えなかった。
何も本シネマのような汚れ役(失礼)に起用しなければいけない理由を僕は思いつかない。
では、シネマは、いや瀬々フィルムは今回どっちだったのか「是か非か?」
監督の力業で半世紀にわたるサーガを見事に139分でまとめ切った。
細部をあげつらうことは、だから意味のないことになったと思っている。
本作の魅力は主人公父息子を取り囲む脇役、まさに脇を固めた成果が出ていた。
薬師丸さんと安田さんの重厚な守りがしっかりと「阿部・北村」城を揺ぎ無いものにしてくれた。
僕は知らず知らずのうちに涙を流していた、
それは贅沢すぎる脇役たちの奮闘に対してだったのかもしれない。
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